司法書士行政書士事務所TAIリーガルハーモニー

不動産登記は自分でできる?

記事

不動産登記は法務局で手続きを行えば自分でも可能です。
住宅ローン完済時の抵当権抹消や、所有者の住所変更などは比較的取り組みやすいといえます。
しかし複数の不動産がある場合や家族信託を利用する場合など、専門知識が必要なケースもあります。
本記事では、自分でできる登記と司法書士に依頼すべき登記の違いを解説します。

 

自分でできる不動産登記の種類

不動産登記にはさまざまな種類がありますが、個人が自分で行うことが多いのは所有者の住所変更登記と抵当権抹消登記です。
所有者の住所変更登記は引っ越しなどにより所有権の登記名義人の住所を変更する手続きで、抵当権抹消登記は住宅ローン完済後に抵当権を消す手続きです。
2025年4月から所有者の住所変更登記が義務化され、変更登記を自分で行うケースも増えています。
自分で行うメリットは司法書士への報酬を節約できる点ですが、手続きに時間と手間がかかるデメリットもあります。
手続きの内容を理解したうえで、自分で行うか専門家に依頼するかを判断することが重要です。

 

自分で手続きしやすいケース

自分で手続きしやすい登記は下記のようなケースです。

住宅ローン完済後の抵当権抹消登記

抵当権抹消登記は比較的シンプルな手続きで、自分でも取り組みやすい登記のひとつです。
住宅ローンを完済すると金融機関から登記原因証明情報、登記済証または登記識別情報、委任状などの書類一式が交付されます。
これらの書類が揃っていれば、法務局の窓口相談を利用しながら本人が申請できます。
法務局では登記申請書の様式や記載例が用意されているため、それらを参考にしながら書類を作成できます。
手続きの詳細については、抵当権抹消手続きの基本に関する記事も参考にしてください。

所有権登記名義人の住所(氏名)変更登記

所有者の住所が引っ越しなどで変わった場合や、婚姻や離婚などによる氏の変更の登記手続は、住民票(氏変更の場合は戸籍謄抄本)を添付して登記します。
法務局が提供する申請書の様式や記載例を活用すれば、必要な書類を準備して申請できます。
法務局の相談窓口では手続きに関する質問に対応してもらえますが、対面の相談は完全予約制のため、予め電話で予約してから来庁しましょう。

 

自分で行う際の注意点

不動産登記を自分で行う場合、必要書類の収集に時間がかかることや、登録免許税の納付があることを認識しておく必要があります。
抵当権の抹消や所有者の住所氏名変更の登記では、登録免許税は不動産の個数×1,000円ですが、マンション敷地の敷地権個数(筆数)の確認が意外と難しいですし、相続登記や贈与登記などの場合は固定資産評価額を基準として計算するので、固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書が必要となります。
書類に不備があった場合、法務局から補正指示を受け、出頭または郵送で補正対応します。
相続登記の手続きの流れと費用については別の記事でも解説しています。

 

司法書士に依頼すべき複雑なケース

司法書士に依頼すべき登記は下記のようなケースです。

不動産に私道があるケース

贈与や相続の対象財産に固定資産税非課税の私道が含まれる場合、その評価額の計算は宅地とは異なります。役場や都税事務所から送付される「固定資産税納税通知書」の明細書には載らないことが多いため、登記し忘れるケースが散見されます。後から別途手続すると費用も手間も余分にかかりますから、事前に法務局で地図などを確認して、このような私道部分がないかを調査しなければなりません。
また、不動産が異なる法務局の管轄に存在する場合、各法務局に対して個別に申請手続きを行わなければなりません。
司法書士に依頼すれば、すべての不動産について効率的かつ正確に手続きを進めてもらえます。
時間と労力を考えると、司法書士に任せることが合理的な選択といえます。

家族信託による所有権移転など複雑な登記

家族信託を利用した所有権移転は、単なる名義変更とは異なる特殊な手続きです。
信託目録の作成が必要で、信託条項の内容を正確に登記簿に反映させなければなりません。 誰にどのような権限を与えるのか、信託の目的や終了事由などを明確に記載する必要があります。
これらの手続きには高度な専門知識が求められるため、司法書士に依頼することが一般的です。

必要書類の収集が困難な場合

不動産所有者が死亡し、相続人名義に登記する場合で、数次相続や代襲相続が発生している場合、被相続人のみならず既に死亡した相続人(被代襲者)の出生から死亡までの戸籍謄本も必要となり、これらを漏れなく収集する作業は非常に負担が大きくなります。
古い戸籍は読み解くのが難解なことも多く、相続人が多数いる場合や行方不明者がいる場合も、手続きが複雑になります。
売買や贈与の登記で、権利証を紛失している場合は本人確認情報の作成が必要になり、司法書士による対応が実務上のスタンダードです。
このような場合は専門家のサポートを受けることで、効率よく手続きを進められます。

 

司法書士に依頼するメリット

司法書士に依頼する最大のメリットは、手続きの正確性とスピードです。
専門知識を持つ司法書士が書類を作成するため、不備による補正や手続きのやり直しを避けられます。
結果的に時間が節約できてストレスが軽減され、安心して手続きを進められます。
費用面では報酬が発生しますが、手続きの確実性や自分の時間を他のことに使える点を考慮すると合理的な選択です。

 

まとめ

今回は不動産登記を自分で行う場合と司法書士に依頼すべき場合について解説しました。 抵当権抹消登記や所有者の住所氏名変更の登記であれば、自分で挑戦することも可能です。
しかし相続登記や家族信託を利用する場合、必要書類の収集が困難な場合などは司法書士に任せることをおすすめします。
少しでも不安がある場合は早めに相談することで、スムーズな手続きと安心感が得られます。
TAIリーガルハーモニーでは不動産登記に関する相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。